出版を示す表現


出版を示す表現
 刻 新刻 再刻 重刻 彫(ちょう) 彫開 板 開板 板行 出板 新板 再板 重板
 梓(し) 開梓 梓行 繍梓(しゅうし) 鐫(せん) 新鐫 修 改修 修補 発行 発兌 版
 刊 刊行 新刊 再刊 重刊 刋(せん-刊と同義) 梓刋 之摺(これをする) 之開(これをひらく)

板木を所有、移動したことを示す表現
 蔵 蔵板 板 板株 求板

活字本での表現
 活版 活刷 活字 活字排印 聚珍版


新板・新刻 新たに起こした板木による発売。ただしこの新は「近頃」というほどの意味。
      元や初の意味とは違う。→初版とは同義ではない。
再板 再刻 同じ内容を同じ板元から板木を改めて彫りなおして売り出した場合。
重板・重刻 同じ内容を別の板元で新たに板木を起こして発行した場合。


※書誌学では、木版本では「板」を、活字本は「版」を使うのが原則。
※江戸時代には「版」はどちらにも使用される。



江戸時代各都市の異名


「京 都」 京 平安 平安城 京師(けいし) 京城(けいじょう) 洛陽 西京(せいけい) 西亰 皇都 京兆 西都 帝都
「大 坂」 大阪 浪華 浪花 浪速 難波 摂州 摂陽 摂城
「江 戸」 東都 荏土 江都(ごうと) 江府(ごうふ) 武江 武陽 東京(とうけい) 東亰 御府内
「和歌山」 若山 紀府
「名古屋」 尾府 尾陽
「水 戸」 水府 常陽
※江戸前期までは本屋といったら京都に決まっているという時代だった。
※江戸中期以降は、京都の板元にも都市名を入れるようになった。

参考文献
橋口侯之介『和本入門』平凡社ライブラリー744、2011年、平凡社
橋口侯之介『江戸の本屋と本づくり』平凡社ライブラリー747、2011年、平凡社
橋口侯之介『和本への招待』角川選書492、2011、角川学芸出板


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